セルフヘルプ・アクションサポート・ネットワーク

犯罪から子どもを守る

美しい神戸、会場のポートアイランドまで“世界大会”の旗が列をなしてはためいていました。 

「司法福祉」分野の研究者であり、教員としての立場で、現在、神戸で開催中の“国際犯罪学会第16回世界大会”に出席してきました。

「子どもの暮らしと安全に関するアンケート調査」報告書、(平成23年3月 科学警察研究所 犯罪予防研究室)によると、『危険なできごと経験』に関する集計上、

「追いかけ」「痴漢」「(どこかへ連れて行かれそうになるなど)誘い」など7累計について、反復経験も含めて経験率は、6.4%であり、およそ児童20人にひとりは、危険なできごとを経験している。特に季節は夏にかけて多くなり、「7月」「9月」に発生が15%、「学校のある日」「16時から17時」で33%を占めており、下校時の危険なできごと発生が相当数ある傾向が示されている。

 注目すべきは「児童の対応」である。危険なできごと発生時の児童の反応は、「走って逃げた」が最も多く、47%であった。次いで多かったのは「何もしなかった・できなかった」が31%である点だ。 「大声で助けを呼んだ」(2%)、「防犯ブザーやベルを鳴らした」(1%)と少ない。

 つまり、日ごろ、防犯教育や訓練を受けていないと、せっかく持っている防犯ブザーが鳴らせない、のである。リスクに応じて、対応する「術」の訓練は必要だ。自衛訓練がなければ、犯罪被害を防止することはできない。

 あまりに行過ぎたリスク管理は、人間不信につながる可能性がないわけではないが、地域では、子ども達がその心身を守り、すくすくと健全に育つため、大人が、犯罪に巻き込まれにくい環境づくりや、見守り隊などの地域の人的な協力体制を創っていくことも大切だ。

 それにもまして重要なことは、「子どもの安心」だ。安心して親や先生に相談できることだ。そのために、私たちNPOが具体的に何ができるかを考えていきたい。身近な事柄では、犯罪抑止・身を守る教育から・・と今、検討を始めた。

  

 

2011.08.08(月曜日)   カテゴリー イベント情報 | コメントはありません »