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画期的だった「いじめ」裁判

■□いじめ自殺事件で画期的判決□■

去る5月20日、名古屋地方裁判所で、画期的な判決が言い渡されました。
2006年、当時高2の女生徒が自宅マンションから飛び降りて死亡した事件について、
その4年前の中1のときのいじめが自殺の原因であると認定し、
いじめを放置した学校側に損害賠償を命じたのです。

注目したいところは、学校の具体的義務を認定したことです。

まず、判決は、「学校を運営する法人は,」(中略)
「危害の現実化を未然に防止し,生徒が安心して教育を受けることができるように,
その事態に応じた適切な措置を講ずる一般的な義務がある。」として、
学校側に、生徒の「生命」、「身体」、「精神」等の「安全を確保する義務」があると明言しました。

そして、「中学生等がいじめを契機として精神疾患や自死等に至るおそれがあることは,公知の事実」であるので、
生徒や保護者からトラブルなどの連絡を受けた場合、「適切な措置を講ずべき義務」があると、
いじめを、子供たちが病気になったり、自殺に至ることもある重大な問題ととらえ、学校に警鐘をならしました。

その上で、「具体的には,」として、
1.「事実関係の把握を正確かつ迅速に行う」こと
2.「トラブルの当事者以外の生徒からも事情を聞く」こと
3.「加害者側の生徒に対し,(中略)時として重大な結果が生じるおそれがあることを認識,理解させ,
直ちにやめるように厳重な指導を」すること
4.「いじめについてのアンケート調査を実施したり,道徳の時間やホームルームの時間(中略)を通じて,
クラスの生徒全体にいじめに対する指導を行う」こと
5.「複数の教員と意見を交換したりするなど(中略)共同で指導に当た」り、
「校長に報告して指示を仰ぎ,組織的対応を取る」ことなどの「義務があ」ると、
極めて具体的に、生徒や保護者からいじめの相談があった場合の学校側の行なうべき対処を述べています。

靴に画鋲を入れるいじめに対して、担任が、「犯人が特定できない」と何もしなかったことについても、
「クラスの生徒らに事情を聴取するなど」の「義務があった」と、担任の対応が不十分だと厳しく認定しました。

また、判決は、靴に画鋲を入れる、授業用具を隠す、大切にしていたポスターを破る、シカト(無視)、
「ウザイ、キモイ、死ね」、「毛が濃い」、「天然パーマ」などの発言、机を教室の外に出す、
「臭いから空気の入れ換えをする。」などと言って窓を開ける、「反吐が出る」との発言などを、
それぞれ「有形力の行使を伴う侵害行為」、「人格そのものを否定」などと厳しく断罪し、
いたずらやけんかなどではなく、「違法性」があると断言しました。
まさに、いじめは犯罪です。

今回の判決は、今まで「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」が訴えてきたことを、
学校側の義務として認定し、いじめとは何かを示した判決です。
全国のサポーターの皆様が、シンポジウムなどで繰り返し訴えかけてくださったことが実を結んだといえます。

子供さんがいじめられて、保護者と一緒に学校に相談に行くこともありますが、
対処の仕方が分からない先生に出会うことも少なくありません。
先生方は、この判決が示した義務と対処方法を当然のことだと認識を深め、
その上で、しっかりとした指導をするようにしていただきたいものです。

「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」全国版から。

☆☆☆☆参考までに

 新聞記事掲載の前日、「いじめ」について、日本経済新聞名古屋支社からNPO「セルフヘルプ・アクション・サポートネットワーク」への電話取材がありました。

 今後も、本来ならば、このような悲しい出来事が起きないことこそが望ましいのです。私どもNPOメンバーも、これからも相談を承り、日々、活動を活発化させていきたいと決意しています。

 

2011.06.26(日曜日)  Tags:
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